内閣府
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期
経済産業省
NEDO 新エネルギー・産業技術総合開発機構

サブ課題・研究開発テーマ

本課題である「人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」には2点のサブ課題とそれに紐づく研究開発テーマ、そしてサブ課題外の「SIPでの取組」以外のSIPと連携した取り組みという構成で成り立っています。

サブ課題はロボットの基盤技術開発面・社会実装技術開発面を考慮し、サブ課題1「人・AIロボット・情報系の融合複合技術を中心としたHCPS融合人協調型ロボティクスの基盤技術開発」、サブ課題2「人・AIロボット・情報系の融合複合技術を中心としたHCPS融合人協調型ロボティクスの社会実装技術開発」を設定しています。

それぞれの研究開発テーマですが、サブ課題1では「人・AIロボット・情報系のHCPS融合技術のシステム化基礎技術開発」、「人協調ロボティクスにおける環境認知系基盤技術開発」、「人協調ロボティクスの移動系基盤技術開発」、「人協調ロボティクスにおけるHCPS要素技術研究開発」、「人協調ロボティクスのスマホアプリ・データ連携系基盤技術開発」の5点を設定しており、人協調ロボティクス領域における基盤技術開発を行うものとします。

サブ課題2では「超高齢社会における世代を超えた人々が直面する社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発」、「住宅・ビル等の人協調ロボティクスの社会実装技術開発」、「生活空間での人協調ロボティクスの円滑な導入・活用・メンテサービスの社会実装技術開発」の3点を設定しており、人協調ロボティクス領域における社会実装技術開発を行うものとします。

サブ課題外では人協調型ロボティクスの環境整備(導入促進ルール形成等)・社会受容性向上に向けた調査・シナリオ構築・シンポジウム等、新産業連携体活動(シンポジウム、会議等)、教育機関・協会・企業等との連携(人材育成機関、教育認定制度)、実践的OJT等を設定しており、「SIPでの取組」以外のSIPと連携した取り組みとして行うものとします。

サブ課題1:人・AIロボット・情報系の融合複合技術を中心としたHCPS融合人協調型ロボティクスの基盤技術開発

人・AIロボット・情報系が融合複合された技術は日本がトップクラスの状況にありますが、サブ課題2と一体的に連動させながら基盤技術開発を推進します。

研究開発テーマ

① 人・AIロボット・情報系のHCPS融合技術のシステム化基礎技術開発
  • 環境認知による自動地図生成等により高機能化されたヒトやモノを自動搬送する自律移動ロボット技術
  • 住宅内使用も想定したハンド・アーム系ロボット技術
  • 動作やバイタルなどの人情報取得技術
  • 心身の自立度を向上させるロボット技術
  • サイバニック化マスター・リモート技術(サイバニクス空間の構築を含む)
② 人協調ロボティクスにおける環境認知系基盤技術開発
  • 集合住宅等の住宅内を含む、生活空間における人(身体状態を含む)、壁、通路、ドア、テーブル、椅子、歩道、横断歩道などに関する情報の認知技術
  • ロボット系システムに搭載可能なユニット/モジュールの開発
  • 当課題の中核となる「人」+「サイバー・フィジカル空間」(HCPS)の融合技術と連動できる標準化されたインタフェース/プロトコルの構築
③ 人協調ロボティクスの移動系基盤技術開発
  • 人や物品を適切なサイズで安全に可搬できるモバイルベースの構築
  • 当課題の中核となる「人」+「サイバー・フィジカル空間」(HCPS)の融合技術と連動できる標準化されたインタフェース/プロトコルの構築
④ 人協調ロボティクスにおけるHCPS要素技術研究開発
  • 安全な高性能バッテリの開発
  • 社会実装に求められる安全技術・ルールの整備
⑤ 人協調ロボティクスのスマホアプリ・データ連携系基盤技術開発
  • エンターテインメント的手法等の導入により積極的・継続的な利用を促進できるインタフェースのアプリの開発
  • 「人」+「サイバー・フィジカル空間」(HCPS)における人・環境・ロボット等のマルチモーダルなデータ連携を行うことができる基盤の構築
  • データ連携は他の全テーマと相互に連動させる必要があり、ミッション達成に意味のある成果の獲得

サブ課題2:人・AIロボット・情報系の融合複合技術を中心としたHCPS融合人協調型ロボティクスの社会実装技術開発

超高齢社会における世代を超えた人々の自立度・自由度を高め、生活(職場を含む)における諸問題を解決できる安心安全な社会の実現を目指し、サブ課題1と一体的に連動させながら人・AIロボット・情報系が融合したサイバニクス空間を通じた生活空間におけるユースケースに対応した社会実装技術開発、導入促進ルールの整備等を推進し、可処分時間の延伸、労働人口減少対策、QoL/ADLの改善、高齢者・障がい者のウェルビーイング、災害時避難支援等への貢献を目指します。

研究開発テーマ

⑥ 超高齢社会における世代を超えた人々が直面する社会課題の解決に向けたHCPS融合人協調ロボティクスの社会実装技術開発
  • HCPS人協調ロボティクスを住宅、施設、職場等様々な生活空間に適用するための各基盤技術の統合を含むシステム研究開発
  • 人情報(生理・身体・行動認知・心理等)と統合されたHCPS融合マスター・リモート制御技術(サイバニック化マスター・リモート技術)の研究開発
  • 非侵襲を前提とした人情報・生活空間情報取得・活用技術の研究開発
  • 高齢者や交通弱者の自立度・自由度を向上させる当課題の他の関連技術との連動
⑦ 住宅・ビル等の人協調ロボティクスの社会実装技術開発
  • 生活(職場を含む)の場の機器が有用な水準でロボティクス連動できるような住宅・ビル・施設等の企画・開発
  • ユースケースを見据えた持続的・発展的な経済サイクルが成り立つ事業モデル開発
⑧ 生活空間での人協調ロボティクスの円滑な導入・活用・メンテサービスの社会実装技術開発
  • 関連業界の分析にもとづくユースケースの開発
  • 各ユースケースにおいて円滑な導入・活用・メンテナンスを実施するための体系的な運用手順(プログラム)の開発・展開